2021年11月30日
「おつきさま!」
ベランダに出ると「あっ!おっきさまだ!」と空を指さす子。みんな一斉に空を見上げています。指先を辿ると薄い雲に紛れてうっすらと白い月。「はんぶんこだ!」「おっきさま、しろだね」顔を見合わせて笑ったり跳ねたりして“発見”を喜んでいます。公園に行くと「ここにもおつきさまいたよ!」「どこどこ?」「おんなじ!しろだね!」「おんなじ!はんぶんこだ!」先ほどベランダで見た月を覚えていて同じと気付いたんですね。満月を知っているから弓張り月を「はんぶんこ」と表現できたのでしょう。
『おしょうさんとかっくりか』という絵本にも「おつきさま」を見つけてみんなで頭を寄せ合って見ていました。「みて!まるいよ!」「こっちは はんぶんこだ!」とおつきさま探しをしながら♩は~かっくりか~かっくりか~♩と踊っていました。
満月の表紙に「あ!おつきさま!」飛びつきました。
木戸の間から見える月。1歳さんにとっては「はんぶんこ!」なんですね。
何年か前にやはり1歳児クラスを担任した時のことを思い出しました。散歩車に乗って散歩した時「おちゅきさま」とずーっと見ている子。友だちの視線を辿り、隣で同じポーズで同じ視線でずーっと月を見ている子。時々視線を合わせて「うふふ」と笑ってまた月に視線を戻して。静かな幸せな時間に浸っているようでした。月を見るのが日課のようになっていたある日、出発する時に「またおつきさまいたよ」と嬉しそうな様子をみて「お月様も公園に行くのかな?」とこたえると「おつきさまー!いっしょにこうえんいこー!」と口に両手を添えて元気よく呼びかけていました。そして公園までの道のりを「おちゅきさまきてるね」「こっちだよ!まがるよ!」道案内していました。お母さんがお迎えに来て、自転車のうえで「おつきさまもおうちにいっていい?」と聞いたそうです。「いいよ、一緒に帰ろうね」と月を眺めながら楽しく帰ったそうです。「帰ってきたお父さんに嬉しそうに報告して3人でベランダに出て月を見ました。この子がいなかったらこんな風に月を見ることもなかっただろうなと夫婦で話しました。」と話してくださいました。幸せって広がっていくんだなぁ、ほっこりと心が温かくなりました。
本当に子どもたちと一緒にいると季節の彩が美しく楽しくなって、日々の小さな幸せをたくさん見つけてもらえます。ありがとう!
みなさんも、忙しいあれこれをちょっと脇に置いて♪琥珀の弓張り月~♪なんてハナウタでも歌いながら、たまには月を見上げてみてはいかがでしょう。